PHOTO / 求人の写真
素材写真は、
「見せられない会社」に見える。
写っている人が自社の社員でないことは、応募者にはだいたい伝わっています。
「求人媒体の担当者が用意した写真をそのまま使っている」
「現場が汚いので、きれいな素材写真のほうがいい気がする」
「社員の顔出しを頼みにくい」
求人票の文面を直したら、次に効くのが写真です。そして現場職の求人では、素材写真を使うことのデメリットが、他の業種よりはっきり出ます。理由と、顔出しなしでできる方法を整理します。
結論:素材写真は「情報がない」のではなく「マイナスの情報がある」
素材写真の問題は、情報量がゼロであることではありません。「自社の現場を見せられない会社」というマイナスの情報を伝えてしまうことです。
求職者は求人媒体で何十社も見ています。同じ写真素材が別の会社の求人にも使われているのを、実際に見かけます。見比べている側には、その写真が自社のものかどうかがかなりの確率で分かっています。
| 素材写真 | 自社の現場写真 | |
|---|---|---|
| 伝わる情報 | なし | 現場の広さ、設備、清潔さ、一緒に働く人 |
| 伝わってしまう印象 | 見せられない事情がある | 隠していない |
| 他社との差 | つかない(同じ素材が使われる) | 必ずつく |
| 入社後のギャップ | 大きい | 小さい |
| 費用 | 0円 | 0円(スマホで撮れる) |
「うちの現場は見せられるほどきれいじゃない」への答え
これがいちばん多い理由です。ただ、順序が逆になっています。
応募者が知りたいのは、きれいかどうかではなく「自分が働く場所がどういう場所か」です。整った写真を見せて入社した人は、初日に実物を見ます。そこで差があれば、その差の分だけ信用が減ります。
それに、現場職に応募する人は現場がショールームのようでないことを最初から知っています。倉庫は倉庫の見た目をしているし、機械室は機械室の見た目をしています。そのままで問題ありません。
床に置いてある不要なものを片付ける。工具を定位置に戻す。掲示物の期限切れを外す。ここまでで十分です。撮影のためにきれいにする必要はなく、日常の整理整頓の範囲で足ります。
顔出しが難しい場合の撮り方
社員に写真掲載を頼みにくい、というのも現実的な事情です。顔を出さずに伝えられることは、思っているより多くあります。
- 手元——作業している手のアップ。工具の持ち方、作業の細かさが伝わります
- 後ろ姿——現場を歩く後ろ姿。広さと動線が伝わります
- 斜め後ろから、作業の全体——人が入ることで規模感が分かります
- 休憩室・更衣室・ロッカー——人は写りませんが、実は応募者がいちばん気にしている場所です
- 車両の運転席——ドライバー職なら、視界そのものが情報になります
- 朝礼の様子(引きの画)——人数と雰囲気が分かり、顔は判別できません
とくに休憩室と更衣室は見落とされがちですが、1日の中で必ず使う場所です。ここが写っているだけで、働く自分を想像しやすくなります。
撮るときの実務的な注意
- 写る人には必ず許可を取る
口頭でも構いませんが、掲載する媒体と期間を伝えてください。退職後の扱いも決めておくと、あとで揉めません。
- 他社の情報が写り込んでいないか確認する
常駐先の看板、取引先名の入った伝票や段ボール、車両のロゴ。現場職の撮影でいちばん事故が起きやすいのがここです。常駐現場では、先方の許可なく撮らないでください。
- 明るさだけ気をつける
加工は不要ですが、暗い写真は現場まで暗く見えます。可能なら照明を点けて、日中に撮ってください。
- 横向き(横長)で撮る
求人媒体の多くは横長で表示します。縦で撮ると上下が切られて、肝心なところが見えなくなります。
写真で足りなくなるのはどこか
私たちは映像を作る会社なので、ここも正直に書きます。写真で足りる場面のほうが多いです。
| 伝えたいこと | 写真 | 映像 |
|---|---|---|
| 現場の広さ・設備・清潔さ | 足りる | 不要 |
| 働く場所の雰囲気 | 足りる | 不要 |
| 1日の流れ・順番 | 足りない | 向いている |
| 作業のスピード感・体の使い方 | 足りない | 向いている |
| 社員が何を考えて働いているか | 足りない | 向いている |
| 職場の人どうしの関係 | 足りない | 向いている |
つまり静止した状態を伝えるなら写真、時間の流れと人の様子を伝えるなら映像という分かれ方です。「1日の流れが想像できないから応募されない」という状態のときだけ、映像に進む価値があります。
よくある質問
求人にフリー素材の写真を使うのはよくないですか?
おすすめしません。情報が伝わらないだけでなく、自社の現場を見せられない事情がある、という印象を与えるためです。求職者は多数の求人を見比べているため、同じ素材写真が複数社で使われていることに気づきます。
現場がきれいではないのですが、それでも撮るべきですか?
撮るべきです。応募者はきれいかどうかではなく、自分が働く場所がどういう場所かを知りたがっています。整った写真で入社した人は初日に実物を見るため、差がある分だけ信用が減ります。床の不要物を片付け、工具を定位置に戻す程度で十分です。
社員が顔出しを嫌がります。写真は諦めるべきですか?
諦める必要はありません。手元のアップ、後ろ姿、斜め後ろからの作業風景、休憩室や更衣室、車両の運転席、引きで撮った朝礼など、顔を出さずに伝えられる要素は多くあります。特に休憩室と更衣室は応募者が気にする場所です。
常駐先の現場で撮影しても問題ありませんか?
先方の許可が必要です。常駐先の看板、取引先名の入った伝票や段ボール、車両のロゴなどの写り込みは現場職の撮影で最も事故が起きやすい箇所なので、撮影前に確認してください。
写真と動画、どちらを先に用意すべきですか?
写真が先です。現場の広さ、設備、清潔さ、雰囲気は写真で十分伝わります。1日の流れ、作業のスピード感、社員が何を考えて働いているかを伝えたい場合にだけ、映像に進む価値があります。
写真はスマートフォンで撮っても大丈夫ですか?
問題ありません。求人媒体での表示サイズであれば十分です。明るい時間帯に照明を点けて、横長で撮ることだけ気をつけてください。縦で撮ると媒体側で上下が切れて肝心な部分が見えなくなります。
まとめ
素材写真をやめて自社の現場写真に変えるのは、費用が同じで情報量だけが増える数少ない打ち手です。現場がきれいである必要はありません。顔出しも必須ではありません。
そして写真で足りる場面は、思っているより多くあります。現場の様子を伝えるだけなら写真で終わらせてください。時間の流れと人を伝える必要が出てきたときに、はじめて映像を検討する順番です。
写真の撮り直しだけで足りる場合は、その旨をお伝えします。
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