DECISION / 順番の判断
どちらが優れているか
ではなく、順番の話。
いまの状態によって、先に作るべきものは変わります。判断の基準を出します。
「予算は1つ分しかない。どちらを先に作るべきか」
「採用サイトを作ったが、動画も必要と言われた」
「制作会社によって言うことが違う」
採用サイトと採用動画は、役割が違います。どちらが優れているという比較には意味がなく、いま自社の採用のどこで人が止まっているかによって、先に作るべきものが決まります。その判断基準を書きます。
結論:止まっている場所で決める
| いまの状態 | 先に作るもの | 理由 |
|---|---|---|
| そもそも応募が来ない | どちらでもない | 求人票と写真の見直しが先 |
| 求人媒体だけで採用サイトがない | 採用サイト | 置き場所がないと動画が見られない |
| サイトはあるが情報が古い・薄い | 採用サイト | 先に器を整える |
| サイトはあるが、応募前に離脱している | 採用動画 | 文字では伝わらない部分が原因 |
| 応募は来るが面接辞退が多い | 採用動画 | 事前の理解が足りていない |
| 入社後3ヶ月で辞められる | 採用動画 | 実際の姿の開示が足りていない |
それぞれが得意なこと
役割の違いを整理します。
| 採用サイト | 採用動画 | |
|---|---|---|
| 主な役割 | 情報を置いておく器 | 実際の様子を伝える中身 |
| 得意なこと | 条件、制度、募集要項、応募導線 | 1日の流れ、人、空気、作業の実際 |
| 更新のしやすさ | 随時直せる | 作り直しに費用がかかる |
| 検索での効果 | ある(社名検索の受け皿になる) | 単体では出にくい |
| 他で代替できるか | 求人媒体でも一部代替できる | 代替が難しい |
| 単独で成立するか | 成立する | 置き場所が必要 |
動画は単体で置いておけません。採用サイト、求人媒体、SNS、説明会のいずれかに置いて初めて見られます。置き場所が1つもない状態で動画だけ作ると、再生数が二桁で止まります。
よくある間違いは「同時に作る」
予算があると、サイトと動画を同時に発注したくなります。ただし同時に変えると、何が効いたのか分からなくなります。
効果検証ができないと、次の判断ができません。翌年「今年も動画を作るべきか」と聞かれたときに、根拠を示せなくなります。
採用サイトを新規で立ち上げる場合は、動画を前提に設計したほうが結果的に安く済みます。後から動画を足すと、置き場所の設計をやり直すことになるためです。この場合は同時発注が合理的です。判断が分かれるのは「サイトが既にある」ときだけです。
採用サイトを先に作るときの注意
- 動画を置く場所を、最初から空けておく。トップの目立つ位置に枠を用意しておけば、後から差し込めます
- 自分で更新できる形にする。募集要項や写真を制作会社に依頼しないと直せない作りだと、更新が止まります
- 求人媒体からの導線を必ず作る。媒体の原稿に採用サイトのURLを載せていない会社は多いですが、見比べたい人は必ず社名で検索します
採用動画を先に作るときの注意
- 置き場所を先に決める。採用サイト、求人媒体、SNS、説明会のどこに置くかで、必要な尺と本数が変わります
- 本編1本だけにしない。本編に加えて短尺を2〜3本切り出しておくと、求人媒体とSNSにも置けます。撮影は同じでも、後から切り出そうとすると素材が足りないことがあります
- 採用サイトが古いままなら、先にそちらを直す。動画で興味を持った人が、古い情報のページに着地することになります
どちらも作らないほうがいい場合
正直に書いておきます。次の状態なら、どちらを作っても効果は出にくいです。
費用ゼロで直せる部分が残っている状態です。仕事内容の1行目、労働時間、応募条件の3か所と、素材写真の差し替え。ここを先にやってください。
賃金、休日、シフトへの不満が離職の原因になっている場合、サイトも動画も解決しません。伝え方の問題ではないためです。
正社員なのかパートなのか、若手なのか経験者なのか。決まっていない状態で作ると、どちらも「全員向け」の内容になり、誰にも刺さりません。
よくある質問
採用サイトと採用動画、どちらを先に作るべきですか?
いま採用のどこで止まっているかで決まります。採用サイトがない、または情報が古い場合はサイトが先です。サイトはあるのに応募前に離脱している、面接辞退が多い、入社後3ヶ月で辞められるという場合は動画が先です。ただし求人票と写真をまだ直していないなら、どちらより先にそちらを見直してください。
採用サイトと採用動画を同時に作るのはだめですか?
採用サイトを新規で立ち上げる場合は同時が合理的です。動画を前提に設計したほうが、後から置き場所を作り直す手間がなくなります。判断が分かれるのはサイトが既にある場合で、このときは同時に変えると何が効いたのか分からなくなり、翌年以降の判断根拠が残りません。
採用動画だけ作って、採用サイトは作らなくても大丈夫ですか?
置き場所があるなら可能です。求人媒体やSNS、会社説明会で使えます。ただし動画は単体では置いておけないため、置き場所が1つもない状態で作ると再生数が伸びず効果が出ません。
採用サイトを作るとき、動画のために準備しておくことはありますか?
トップの目立つ位置に動画の枠を空けておくことです。後から動画を足す場合、置き場所の設計をやり直すことになります。あわせて、募集要項や写真を自分で更新できる作りにしておいてください。
採用動画は何本作れば足りますか?
本編1本と短尺2〜3本が最小構成です。本編は採用サイトと説明会、短尺は求人媒体とSNSで使います。撮影は同じでも編集の設計が変わるため、発注時に短尺の本数を決めておいてください。後から切り出そうとすると素材が足りないことがあります。
予算が限られています。どちらも作らないという判断はありますか?
あります。求人票と写真をまだ直していない場合、労働条件そのものに不満がある場合、誰を採りたいかが決まっていない場合は、どちらを作っても効果が出にくいため、先にそちらを解決してください。
まとめ
採用サイトは情報を置く器、採用動画は実際の様子を伝える中身です。器がない状態で中身だけ作っても、置く場所がありません。
判断は「いまどこで人が止まっているか」の1点で決めてください。応募前で止まっているのか、面接で止まっているのか、入社後に辞めているのか。止まっている場所が分かれば、順番は自動的に決まります。
どちらも不要と判断した場合は、その旨をお伝えします。
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