COST / 費用相場
同じ「採用動画1本」で、
見積もりが6倍ちがう。
差はクオリティではなく、何にお金を払っているかの違いです。内訳ごとに分解します。
「採用動画って、結局いくらかかるの?」
「A社は50万、B社は300万。何がそんなに違うの?」
「予算100万で、どこまでできるのか知りたい」
採用動画の見積もりを3社に取ると、たいてい金額が2〜6倍ちがいます。同じ「1本」なのに、です。これは片方がぼったくっているわけでも、片方が手を抜いているわけでもありません。そもそも見積書に入っている工程が違うだけです。
この記事では、採用動画の費用を50万円・100万円・300万円の3段階に分けて、金額が上がると何が増えるのかを内訳ごとに説明します。読み終えれば、手元の見積書が高いのか安いのか、自分で判断できるようになります。
結論:現場系の採用動画は50〜150万円がボリュームゾーン
ビルメンテナンス、建設、運送、製造といった現場系企業の採用動画は、1本あたり50〜150万円に収まることがほとんどです。300万円を超えるのは、多拠点をまたぐ撮影や、タレント起用、フルアニメーションが入る場合に限られます。
費用に占める工程別の割合(標準的な1本の場合)
※ 一般的な構成比の目安です。演出内容や拠点数によって大きく変動します。
ここで覚えておいてほしいのは、見えている部分(撮影・編集)は費用の6割程度しかないということです。残りの4割は、撮る前に何を決めるかと、進行を管理する人件費に消えています。安い見積もりは、たいていここが抜けています。
見積書は4つの工程でできている
金額の差を理解するには、まず何にお金を払っているのかを分解する必要があります。採用動画の費用は、大きく4つに分かれます。
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企画・構成
誰に見せるか、何を伝えるか、見終わったあとに何をしてほしいかを決める工程。台本・構成案・撮影カット表をつくります。ここを飛ばすと、撮影当日に「とりあえず撮っておく」が発生して、編集で使えない素材が増えます。
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撮影
カメラマン・音声・照明・アシスタントの人件費と、機材費。拠点数と日数に比例して増える、いちばん分かりやすい費用です。現場系は屋外・稼働中の作業場が多く、音と光の条件が悪いので、人員が1人増えることがあります。
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編集・MA
カット編集、テロップ、カラーグレーディング、BGM・ナレーション。修正回数がここに含まれます。「修正2回まで」なのか「無制限」なのかで、同じ編集費でも中身がまったく違います。
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ディレクション・進行管理
スケジュール調整、出演者の手配、現場での判断、社内確認のとりまとめ。表に出ませんが、発注側の手間がどれだけ減るかはここで決まります。
価格帯別に、何が変わるのか
同じ「採用動画1本」でも、金額帯によって含まれるものはこう変わります。
ENTRY
50万円前後
できること
- 1拠点・撮影半日〜1日
- インタビュー2〜3名
- 3分前後の本編1本
- 企画は簡易ヒアリングのみ
- 修正は1〜2回まで
STANDARD
100万円前後
できること
- 1〜2拠点・撮影1〜2日
- インタビュー4〜6名+作業風景
- 本編1本+短尺切り出し2〜3本
- 企画・構成の設計工程あり
- 修正3回程度+公開後の助言
HIGH-END
300万円〜
できること
- 3拠点以上・撮影3日以上
- ドローン/特殊機材/再現ドラマ
- アニメーション・CG
- タレント・プロナレーター起用
- シリーズ展開を前提とした設計
0150万円:撮って、つなぐ
この価格帯は「撮影と編集」の実費です。企画は簡単なヒアリングで済ませ、当日は用意された段取りで撮り、編集でまとめます。すでに「誰に何を伝えるか」が社内で固まっている場合には、これで十分に成立します。
逆に、何を伝えるべきかが決まっていない状態でこの価格帯に発注すると、まず失敗します。決めるための工程が入っていないので、「社長の挨拶と、若手のインタビューと、作業風景」という無難な構成に落ち着き、他社と見分けがつかない動画ができあがります。
02100万円:決めてから、撮る
企画・構成の設計が入るのがこの価格帯です。求職者のどの不安を消すのか、どの場面を見せると効くのかを事前に詰め、そのために必要なカットだけを撮ります。撮影日数は50万円帯と変わらないこともありますが、撮る前の意思決定の量が違います。
加えて、本編から短尺を切り出せるように設計しておけるのがここからです。3分の本編だけでは、求人媒体にもSNSにも置けません。置き場所の数だけ、動画の効果は変わります。
03300万円:見せ方そのものを作る
複数拠点の撮影、ドローン、再現ドラマ、アニメーション、タレント起用。撮るものが増えるのではなく、表現手段が増える価格帯です。全国に拠点があって各所を見せる必要がある、あるいはブランド全体の刷新と連動している、といった事情があれば妥当な投資になります。
ただし現場系の中小企業で、いきなりこの帯を選ぶ必要はほぼありません。応募が来ない原因が「見え方の派手さ」であることは、まずないからです。
金額を押し上げる4つの要因
見積もりが想定より高いとき、原因はだいたいこの4つのどれかです。
| 要因 | 増える理由 | 増加幅の目安 |
|---|---|---|
| 拠点数 | 移動日・交通費・機材輸送が拠点ごとに発生する | 1拠点増ごとに15〜30万円 |
| 撮影日数 | スタッフ全員の人件費が日数分かかる | 1日増ごとに15〜25万円 |
| 出演者の人数 | 拘束時間・撮影カット・編集素材がすべて増える | 数万円〜 |
| ナレーション | プロ起用でキャスティング費と収録費が発生する | 5〜20万円 |
逆に言えば、拠点と日数を絞れば費用は素直に下がります。「全拠点を撮りたい」は気持ちとして分かりますが、求職者は全拠点を見たいわけではありません。
安く見える見積もりに潜む3つの落とし穴
「動画制作一式 500,000円」とだけ書かれた見積書は、何が含まれて何が含まれないのかが分かりません。あとから「その修正は別費用です」と言われても、契約書上は反論できません。企画/撮影/編集/進行の4つに分かれているかを必ず確認してください。
社内確認が2周、3周するのは現場系企業では普通です。修正回数の上限と、超えた場合の単価が明記されていない見積もりは、最終的な支払額が読めません。「修正3回まで、4回目以降は1回◯万円」まで書かせるのが安全です。
本編は納品されるが、撮影した元素材(未使用カット)は渡されない契約があります。数年後に自社で短尺を作り直したいとき、また撮影費が丸ごとかかります。元データの帰属と、二次利用の可否を契約前に確認してください。
予算が決まっているときに、削っていい順番
「100万しか出せない」という状況は珍しくありません。そのとき削る順番には、正解があります。
- まず拠点数を削る
3拠点を1拠点に。求職者が知りたいのは「自分が働く現場の様子」であって、会社の全体像ではありません。効果への影響がいちばん小さい削り方です。
- 次に尺を削る
5分を2分半に。長い動画は最後まで見られません。むしろ短くしたほうが効くことのほうが多いです。
- 次に演出を削る
ドローン、再現ドラマ、アニメーションを外す。現場系の採用では、加工された映像より素の現場のほうが信用されます。
- 企画・構成は最後まで削らない
ここを削ると、安く作った動画が「誰にも刺さらない動画」になります。50万円で刺さらない動画を作るより、100万円で刺さる動画を1本作るほうが、結果として安上がりです。
採用動画は、人材確保等支援助成金や自治体の販路開拓・情報発信支援の対象になる場合があります。制度は年度ごとに変わるので、発注前に自治体の中小企業支援窓口に確認するのが確実です。申請には見積書が必要になるため、制作会社を決める前ではなく、見積もりを取った段階で相談してください。
よくある質問
いちばん安く作るといくらですか?
スマートフォン撮影と簡易編集であれば10〜20万円台の見積もりも存在します。ただしこの帯は「記録として残す」用途で、採用の意思決定を動かす目的には向きません。求職者は求人媒体で日常的に他社の動画を見ているので、比較の中で品質差がそのまま印象差になります。
自社で撮るのはどうですか?
短尺のSNS用であれば十分に現実的です。ただし本編を内製する場合、いちばん難しいのは撮影でも編集でもなく構成の設計です。企画だけ外部に依頼して撮影・編集は内製、という分け方もできます。
何本作るのが適切ですか?
本編1本+短尺2〜3本が最小構成です。本編は採用サイトと説明会で、短尺は求人媒体とSNSで使います。置き場所が1か所しかない状態で本編だけ作っても、見てもらう機会が生まれません。
制作期間はどのくらいですか?
ヒアリングから納品まで、標準的な1本で1〜2か月です。撮影日の確保と社内確認の速度で前後します。合同説明会や求人媒体の掲載開始に合わせるなら、逆算して2か月前には動き始めてください。
まとめ:見積書のどこを見るか
金額の絶対値ではなく、次の5点が書かれているかで判断してください。書かれていない見積もりは、安くても高くつきます。
- 企画/撮影/編集/進行の4工程に分かれているか
- 撮影の拠点数と日数が明記されているか
- 修正回数の上限と、超過時の単価が書かれているか
- 納品物の本数・尺・形式が具体的か(短尺の有無を含む)
- 撮影素材の権利と二次利用の可否が明記されているか
他社の見積書を見ながら「この項目は妥当か」をお答えすることもできます。
03-6822-1206(平日10:00〜19:00)/ info@onetrack.jp
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