WRITING / 求人票の書き方
直すのは全部ではなく、
3行だけでいい。
現場職の求人票で、応募の判断がいちばん動くのはこの3か所です。費用はかかりません。
「求人票を全面的に書き直す時間がない」
「何を書けばいいのか、そもそも分からない」
「媒体の担当者に任せているが、他社と同じ文面になっている」
求人票を一から書き直すのは大変です。ただ実務で見ていると、応募するかどうかの判断が動くのは、だいたい決まった3か所です。ここだけ直せば、他はそのままでも変わることがあります。順に説明します。
結論:直すのはこの3行
職種名の言い換えで終わっている行を、「1日の始まりに何をするか」に変える。
所定労働時間の表記に、実際の1日の区切りを1つ足す。
「未経験歓迎」の下に、未経験で入った人が最初の1ヶ月に何をするかを足す。
どれも1〜2文の追加です。媒体の管理画面から、その日のうちに直せます。
① 仕事内容の1行目
現場職の求人票でいちばんよく見るのが、職種名を言い換えただけの1行目です。
| よくある書き方 | 直したあと | |
|---|---|---|
| 清掃 | オフィスビルの日常清掃業務全般 | 朝6時に出勤し、テナントが出社する8時までに共用部とトイレを仕上げます |
| 設備管理 | 建物設備の保守点検業務 | 朝の巡回で計器を見て回り、異常がなければ日誌を書いて午後は定期点検にあたります |
| ドライバー | 4tトラックでの配送業務 | 朝、伝票を受け取って積み込み、決まった5〜6件を回って夕方に戻ります |
左の書き方が悪いわけではありません。ただ、左は同じ職種の他社もほぼ同じ文言で書いています。並んだときに区別がつかず、判断材料になりません。
右は自社の実際なので、他社と同じにはなりません。そして読んだ人は、自分がその時間に何をしているかを想像できます。想像できない仕事には応募されない、というのがこの3行すべてに共通する理屈です。
② 労働時間の行
「8:00〜17:00(休憩60分)」という表記は必要ですが、これだけだと1日の形が見えません。1文足してください。
- 「朝は早いですが、15時には終わります」(早朝勤務がある場合)
- 「基本は日帰りで、宿泊を伴う運行はありません」(運送の場合)
- 「休日出勤は月1〜2回程度、事前に希望を確認して決めています」(不規則な対応がある場合)
- 「着替えと朝礼の時間は勤務時間に含みます」(現場職で実際によく聞かれる点)
ポイントは、不利に見える条件ほど、頻度や範囲を数字で書くことです。「対応をお願いすることがあります」とだけ書くと、読む側は最悪のケースを想像します。「月1〜2回程度」と書いたほうが、応募は増えます。
「朝5時出勤」は不利な条件に見えますが、「14時に上がれる」は有利な条件です。同じ事実です。子どもの帰宅時間に合わせたい人や、夕方に別の予定を入れたい人にとっては、むしろ探していた条件になります。片側だけ書いていないか確認してください。
③ 応募条件の行
「未経験歓迎」はほぼ全社が書いています。書いてあること自体には、もう情報がありません。
効くのは、未経験で入った人が最初に何をするかです。
| よくある書き方 | 直したあと |
|---|---|
| 未経験歓迎・資格不問 | 未経験の方は、最初の2週間は先輩と2人で回ります。1人で担当を持つのは、ひととおり覚えてからです |
| 研修制度あり | 入社後1ヶ月で第二種電気工事士の講習に行っていただきます(費用は会社負担) |
| 資格取得支援制度あり | 取得費用は会社が全額負担し、講習日は勤務扱いです。退職時の返還はありません |
とくに資格取得支援は、条件を書かないと逆効果になることがあります。費用は誰が持つのか、講習の日は休みなのか勤務なのか、早期に辞めたら返還が必要なのか。書かれていないと、応募者は不利なほうを想定します。
効かない書き換え
ほぼ全社が書いているので、判断材料になりません。書くなら、そう言える事実(平均勤続年数、社員の年齢構成、休憩室の様子)に置き換えてください。
読む人が最初に知りたいのは、労働時間・給与・仕事の中身です。理念は判断材料の後ろのほうに来ます。上に置くと、本当に必要な情報が下に押し出されます。
「未経験大歓迎!!」「アットホーム★」。情報量は増えていません。現場職の求人では、落ち着いた文面のほうが信用されます。
厚生労働省の雇用動向調査では、転職者が前職を辞めた理由の上位に「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」(女性12.8%)が挙がっています。入る前に分かっていれば防げた離職が相当数あるということです。書かずに採ると、3ヶ月後に同じ席が空きます。
直したあとにやること
- 2週間は他を変えない
同時に媒体を増やしたり掲載料を変えたりすると、何が効いたのか分からなくなります。文面だけ変えて2週間見てください。
- 応募数だけでなく、面接に来た人数を見る
文面を具体的にすると、応募数は減って面接到達率が上がることがあります。これは良い変化です。
- 面接で「どこを見て応募したか」を聞く
1問足すだけで、次に直すべき場所が分かります。
- 写真を自社のものに差し替える
3行を直したあと、次に効くのはここです。ここまでは費用がかかりません。
よくある質問
求人票のどこを直せば応募は増えますか?
仕事内容の1行目、労働時間の行、応募条件の行の3か所です。職種名の言い換えで終わっている1行目を「1日の始まりに何をするか」に変え、労働時間には実際の1日の区切りを1文足し、未経験歓迎の下に最初の1ヶ月にやることを書きます。いずれも費用はかかりません。
早朝勤務があると、やはり応募は集まりにくいですか?
書き方によって変わります。朝5時出勤は不利に見えますが、14時に上がれるという事実は有利な条件です。夕方の時間を使いたい人にとっては探していた条件になるため、片側だけの表記になっていないか確認してください。
不利な条件は求人票に書くべきですか?
書いたほうがいいです。ただし頻度や範囲を数字で書いてください。対応をお願いすることがあります、とだけ書くと読む側は最悪のケースを想像します。月1〜2回程度と書いたほうが応募は増えます。
「未経験歓迎」と書いても応募が来ません。なぜですか?
ほぼ全社が書いているため、情報として機能していないからです。未経験で入った人が最初の2週間何をするのか、いつ1人で担当を持つのかを書くと、判断できるようになります。
資格取得支援制度は求人票に書いたほうがいいですか?
書く場合は条件まで書いてください。費用を会社が負担するのか、講習日は勤務扱いか、早期退職時に返還が必要か。書かれていないと応募者は不利なほうを想定するため、制度があること自体が判断材料になりません。
書き換えた効果は、どのくらいで分かりますか?
2週間ほど、他の条件を変えずに見てください。応募数が減って面接到達率が上がる場合もありますが、これは文面が具体的になり、条件が合わない人が応募前に判断できるようになった結果なので、良い変化です。
まとめ
求人票は全部を書き直す必要はありません。仕事内容の1行目・労働時間の行・応募条件の行、この3か所だけで、判断のしやすさはかなり変わります。
共通しているのは、同業他社と同じ言葉を、自社の実際に置き換えるという一点だけです。費用はかからないので、映像や媒体追加を検討する前に、まずここを試してください。
求人票の見直しだけで足りる場合は、その旨をお伝えします。
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