現場を止めずに採用動画を撮る段取り|半日で終わらせる撮影計画

左から右へ続く連続した流れの帯の途中、数か所にだけ短い区切りが入っている構図の抽象図 動画の実務

SHOOTING / 撮影の段取り

丸一日、カメラが
張り付く撮り方はしません。

現場を止めずに撮るために、何をどの順で決めるか。実際の段取りを開きます。

「撮影のために現場を止めることはできない」

「社員を1日拘束するのは無理。通常業務がある」

「常駐先の建物なので、勝手に撮れない」

採用動画の話が止まる理由でいちばん多いのが、内容でも金額でもなく撮影日に現場が回らなくなることです。ここは段取りでかなり解決できます。実際にどう組んでいるかを具体的に書きます。

結論:止まるのは「要所だけ」にできる

先に、当社の場合の実際の体制と拘束時間を出します。

項目実際
撮影スタッフディレクターとカメラの2名
主役として出ていただく方の拘束合計1時間ほど(場面ごとに5分ずつ分割)
業務を止めていただく時間朝・昼・夕方の要所のみ。丸一日空ける必要はありません
それ以外の時間普段どおり動いていただき、横から撮ります
貴社側の作業(打ち合わせ含む全体)合計3〜4時間ほど
1日で回れる範囲1拠点。拠点をまたぐ場合は日数が必要
体制や拘束時間は制作会社によって異なります。見積もり時に必ず確認してください。

ポイントは3行目と4行目です。撮影の大半は、通常どおり働いている様子を横から撮っています。止めるのは、どうしても正面から撮る必要がある場面だけです。

「丸一日拘束される」という誤解の出どころ

テレビや広告の撮影のイメージが先にあると、照明を組んで、何度もテイクを重ねる画が浮かびます。採用動画の現場撮影は、そこまでの作り込みをしません。段取りが決まっていれば、通常業務の横で成立します。

撮影日までに決めておく4つ

当日が長引く原因は、ほぼ全部が「決まっていないこと」です。逆に言えば、事前に決まっていれば短く終わります。

  • カット表を先に作る

    何を、どこで、何秒撮るかの一覧です。これが無い撮影は必ず長引きます。制作会社を選ぶとき「当日、現場を見ながら調整します」としか答えない会社は、事前にカットを切っていません。

  • 止める場面と、止めない場面を先に分ける

    朝礼、作業の開始、機械の操作など「正面から撮る必要があるもの」だけを止めます。移動や片付けは横から撮れます。この仕分けを事前にやっておくと、当日の判断が要りません。

  • 出ていただく方に、聞く質問を先に渡す

    その場で考えてもらうと時間がかかり、内容も浅くなります。前日までに質問を渡しておくと、撮影時間が半分近くになります。

  • 撮ってはいけないものを、リストで共有する

    次章で詳しく書きますが、ここが現場職でいちばん事故が起きます。

常駐先・お客様の建物で撮るとき

ビルメンテナンスや設備管理、警備のように、働く場所が自社の持ち物ではない業種があります。この場合、撮影の可否は自社だけでは決められません。

正直に書くと、施主様や常駐先から広報用の撮影許可を取るのは、簡単ではありません。記録用の工事写真と、広報に使う映像とでは、先方にとって許可の性質がまったく違うためです。

そこで、許可を取らずに成立させる撮り方を先に押さえておくと、話が前に進みます。

撮る場所許可撮れるもの
自社の事務所・倉庫・資材置き場不要準備、点検、荷積み、朝の集合
社員研修・安全大会・朝礼不要人数、雰囲気、教育体制
手元・工具・配管まわりだけのカット不要作業の中身、技術の細かさ
常駐先の建物全体・看板が入る画要許可—
上3つだけでも、採用動画としては成立します。

3行目の「手元だけのカット」は、意外に情報量があります。工具の持ち方、作業の丁寧さ、扱っている設備の規模。人物も看板も映らないので、権利関係の確認が要りません。

当日いちばん起きやすい事故

常駐先の看板、取引先名の入った伝票や段ボール、車両のロゴ、掲示された社外の連絡先。撮影中は気づかず、編集で発見されます。撮り直しになると現場をもう一度止めることになるので、撮る前にリスト化して共有してください。

「社員が出たがらない」への対処

段取り以前に、出演する人が集まらないという問題があります。よく混同されますが、これは2つの別々の悩みなので分けて対処します。

01顔を出したくない

手元、後ろ姿、引きの画、背景ぼかしで成立します。当社では、顔の部分にイラストを重ねて動画にした事例もあります。モザイクや後ろ姿だけだと不自然になりますが、この方法なら空気感が残ります。

02顔は出せるが、うまく話せる自信がない

こちらのほうが実は多い相談です。対処は3つあります。

  • 台本を読んでもらわない。質問に答える形にします。演技をお願いすることはありません
  • 言い淀み、言い直し、間は編集で落とせます。一発で決める必要がありません
  • 何度でも撮り直せます。放送と違い、時間の制約が緩い撮影です

経験上、この不安はほとんどの案件で出ますが、編集の段階で問題になったことはありません。

出演者が辞めても使い続けるために

段取りの話から少し外れますが、撮影計画の段階で決めておくと後が楽になる点です。

「出演した社員が辞めたら動画が使えなくなる」という懸念は、実際によく出ます。これは撮り方で回避できます。

  • 個人ではなく「役割」を主役にする。「入社3年目の設備担当の1日」という構成にすれば、退職しても同じ役割の別の方に差し替えて撮り直せます。企画そのものが残ります
  • 顔を映さない構成にしておく
  • 全体公開用と限定公開用で、撮り方を分けておく

長く使う前提なら、1つ目がいちばん効きます。撮影日を決める前に、誰を撮るかではなくどの役割を撮るかで企画を立ててください。

よくある質問

採用動画の撮影で、現場は丸一日止まりますか?

止まりません。当社の場合、業務を止めていただくのは朝・昼・夕方の要所だけで、それ以外は通常どおり動いていただき横から撮ります。主役として出ていただく方の拘束も合計1時間ほどで、場面ごとに5分ずつ分割します。ただし体制は制作会社によって異なるため、見積もり時に確認してください。

採用動画の撮影は何人のスタッフが来ますか?

当社の場合はディレクターとカメラの2名です。照明を組んで何度もテイクを重ねるような撮影はしないため、少人数で成立します。

常駐先やお客様の建物でも撮影できますか?

先方の許可が必要です。記録用の工事写真と広報用の映像では許可の性質が異なるため、簡単ではありません。ただし自社の事務所・倉庫・資材置き場、社員研修や朝礼、手元や工具だけのカットであれば許可なく撮影でき、この3つだけでも採用動画は成立します。

撮影当日が長引かないようにするには何を準備すればいいですか?

カット表を事前に作ること、業務を止める場面と止めない場面を先に仕分けること、出演者に質問を前日までに渡すこと、撮ってはいけないものをリスト化して共有することの4つです。特に質問の事前共有は撮影時間を大きく短縮します。

社員が話すのが苦手で、撮影に不安があります。

台本を読んでいただくのではなく、こちらの質問に答えていただく形にするため、演技は必要ありません。言い淀みや言い直し、間は編集で落とせますし、一発で決める必要もなく何度でも撮り直せます。

出演した社員が退職したら、採用動画は使えなくなりますか?

撮り方で回避できます。個人ではなく役割を主役にする構成、たとえば入社3年目の設備担当の1日という形にすれば、退職しても同じ役割の別の方に差し替えて撮り直せるため、企画自体は残ります。長く使う前提ならこの方法が有効です。

複数の拠点を撮影する場合、日数はどのくらいかかりますか?

1日で回れるのは1拠点です。拠点をまたぐ場合はその分の日数が必要になり、移動費も加算されます。見積もりの段階で拠点数と日数が明記されているか確認してください。

まとめ

撮影で現場が止まるかどうかは、撮影当日ではなく、その前に決まります。カット表があり、止める場面が仕分けされ、質問が事前に渡っていれば、通常業務の横で撮り切れます。

常駐先の建物が絡む場合も、許可が要らない撮り方だけで成立させる選択肢があります。撮影の可否で話を止める前に、何なら撮れるかを一度整理してみてください。

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【運営者について】現場職採用ラボは、映像制作会社である株式会社OneTrackが運営しています。記事内には自社サービスの紹介・誘導が含まれます。本記事に記載した体制・拘束時間は当社の場合のものであり、他社の撮影体制を示すものではありません。中立な第三者による比較サイトではありませんので、他社との比較検討の際は各社の公式情報もあわせてご確認ください。

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